BASKET / かご







「役に立たないものや、美しいとは思わないものを家に置いてはならない。」


これは、モダンデザインの父と称されるイギリス人デザイナー、ウィリアム・モリスの言葉。

価値観に多少の違いはあれど、おなじく物における美しさを、日本の柳宗悦は日々の暮らしで使う日用品や雑器の中に見出し、やがてそれは民藝運動へと発展していく。
それはいわゆる、「用の美」や「雑器の美」といわれるもの。
必ずしも有名ではない、一般職人の手によって作り続けられる普通の日用品こそ美しい、と彼はいう。


かごやバスケットといえば、もともとは何かを運んだり収容するために必要とされた道具。
時代とともに入れ物としての効率性や強度、素材やコストが改良されてゆき、やがて日常生活に欠かせない物として大量生産されていくうちに、自然な流れとして、見た目も洗練されていく。
いくら役に立っても見た目が良くないと売れないし、見た目が良くても役に立たないと淘汰されてしまう。
それはモリスや柳が提唱したことにも通じる、生活道具として生き残るための必須条件。

現代ではかご以外の便利な入れ物も増えてしまったため、例えばスーパーやコンビニへ買い物に行くときに手提げかごなんて持って行かないし、帰りにはビニール袋かエコバッグにすべて収まってしまう。
特に手編みのかごは、残念ながら日常生活で道具として使われることは減ってしまったものの、その代わりに美しい“物”として、今なお親しまれつづけることに。

ラタンやウィローなどの天然素材や鉄などの強固な素材も、編まれることで和やかになり、無機質な空間を楽しませてくれたり、日々の暮らしを心豊かにしてくれる大切な存在。
用途と見た目の追求がなされてきたアイテムなだけに、手編みのかごはただ部屋に佇むだけでも、それだけで貴重なインテリアになってしまう。

もちろん、かごは何かを入れたり収納することに優れた道具。
ふだんの暮らしの中で、様々に使ってみたり、ただ眺めたりする喜びを楽しみたい。





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