SHIGARAKI CERAMIC / 信楽焼



 



健やかで、何気ない日常を楽しむ暮らし。

季節がもたらす自然の機微にふと気づいたり、旬の食材をさりげなく食卓に並べて、家族や友人たちと分かち合う。
よく食べてよく笑い、よく眠る。

なるべくなら、そんな日々を大切にしていたい。
週末や特別な休暇も待ち遠しいけれど、毎日の暮らしはそのための繋ぎではないはず。

何気ない日常を、楽しむ暮らし。
そのエッセンスは普段使う”物”にもたくさん散りばめられていて、例えば、食卓に並ぶ器だってそう。

私たちが日々の暮らしで使いたいのは、特別な技法や素材で作られた鑑賞するための器ではなく、気軽に料理を盛りつけられて、他の雑多なテーブルウエアにも馴染むシンプルなもの。
器が主役になって主張するのではなく、盛り付ける料理をさりげなく引き立てることができ、使っていくことで生まれる風合いや、見る角度によって違った表情をみせる“器の景色”をも楽しめるような、趣のあるもの。



豊かな自然に囲まれた、滋賀県甲賀市にある信楽町。
ここで作られる信楽焼は、いわゆる日本六古窯のひとつに数えられる伝統的な焼きもの。
良質な信楽の土は耐火性に富み、腰が強くて細工のしやすい粘性も持ち合わせていることから、大物から小物まで多種多様な焼きもの作りが今も行われている。
近年ではあのチャーミングな狸たちも愛らしいけれど、信楽特有の温かみのある素朴な器は、古くから茶人や文化人たちを魅了してきた。

とりわけ、陶芸の黄金期ともいわれる桃山時代には、特に。

茶聖とも称される、千利休もそのひとり。
彼の洗練し尽くされたセンスは茶の湯の世界はもちろん、当時の政治や文化をはじめ、その後の日本人の精神性や美意識に至るまで、様々な分野に多大な影響を及ぼすことになる。
そして信楽焼のもつ味わい深い趣は、彼がたどり着いた茶の湯の精神や世界観に合致していた。

それは、華やかで装飾的なものではなく、粗野なほどに簡素で、さびていく時の流れに豊かさや美を見出すこと。

私たちはそんな信楽焼のもつ素朴な魅力を、現代の多様な食や暮らしに合うようなシンプルなデザインで商品化することを目指した。
このシリーズが、多くの方の日常の風景に溶けこみ、毎日の暮らしを楽しむきっかけのひとつになってくれることを心から願いながら。

 

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